玄関ドアの交換は、以前は何日も掛かる大がかりな工事だったのですが、カバー工法によって半日~1日程度でできるようになっています。
玄関ドア交換のリフォームでは現在カバー工法という方法を使うのが主流となっています。カバー工法は工事費用を抑え、工期を短くするといったたくさんのメリットがありますが、そもそもカバー工法とはどんな工法なのでしょうか?
カバー工法とは
カバー工法とは一言で言うと「元々の玄関ドアの枠組みにそこに新たな枠組みをつけてドアを交換する」という工法になります。元々の枠組みに新たな枠組みをカバーするように取り付けるのでカバー工法と呼ばれているのです。
カバー工法の場合、すでに埋め込まれている枠組みを利用するので周りの壁を壊す必要が無くなります。なので、まず工事が簡単になり大工工事やクロス、タイル、外壁などの工事も必要なくなります。サッシ工事のみでよくなるのです。
このカバー工法が現れたことで玄関ドアの交換リフォームは劇的に簡単になりました。費用や工期もあまりかからなくなったので、大規模工事だった玄関ドアの交換リフォームが一気に手軽なリフォームへと生まれ変わったのです。
工期が短くなり、工事に関わる人も少なくなると当然費用も少なくなります。工期と同時に費用を圧縮することも出来るのです。
施工の流れ

注意点
- 玄関ドアが小さくなる
既存の枠組みに被せるように新しいドアの枠組みを装着するのでその分ドアが小さくなる。幅で約5cm、高さで約3cmほど小さくなるのです。特に幅が小さくなると車椅子などが通れなくなる可能性も出てきます。玄関を目一杯使用する必要がある方は必ず確認しましょう。
ただし、親子ドア(異なる2つの扉を組み合わせたドア)や袖付きドア(ドアの横に窓のようなものを取り付けたドア)の場合は心配する必要はありません。メインのドアの幅は変えずに子扉や袖といった小さい方のドアや窓を小さくすれば調整できるからです。片開きドア(扉1枚のみのシンプルなドア)の場合は気をつけましょう。
- 玄関ドアの下枠に段差がつく場合がある
下枠の立ち上がりが2cm未満の場合、枠を新たにつけると段差ができる場合があります。最近のドアの場合は大丈夫であることが多いのですが、古いドアの場合は段差ができてしまいます。幅と同様車椅子の出入りなどで段差がない方が良い場合は下枠を取り外す、段差緩和材を入れて滑らかにするなどの対策が必要です。 - 玄関ドアの大きさを大きくするのが難しい
カバー工法は現在の玄関ドアの枠組みを利用して工事を行うので、基本的にはその枠組みより大きいドアは取り付けることはできません。例えば片開きドアからドアの大きさはそのままに袖をつけたい、親子ドアにしたいといった工事は出来ないのです。ドアの種類を変えて枠組みよりも大きなドアを取り付けたい場合はカバー工法ではなく壁を壊して枠組みから装着する必要があるのです。
工事費用相場
玄関ドア交換にかかる費用はカバー工法の場合「玄関ドアの価格」+「玄関ドアの設置費用」+「玄関ドアの撤去費用」となります。玄関ドアの価格はどの工法で行なっても変わらないため、販売価格を確認してください。
玄関ドアの設置費用と撤去費用はどの程度なのでしょうか。一般的に設置費用で4〜6万円、撤去費用で1〜2万円となっています。カバー工法の場合は合計で5〜8万円しか工事ではかからないのです。
カバー工法じゃない場合はこれ以外に外壁工事などたくさんの工事が必要なのでさらに高くなります。
工事可否の判断
既存ドアがスチールドアで、枠が錆・腐食などで劣化していなければ(劣化の程度にもよりますが)対応可能です。
各社ハウスメーカーの集合住宅にも対応可能ですが、通路側に多少出っ張った形で新しいドアが付くため共有部である廊下の幅もその分狭くなりますので法令に順守しているかの確認が必要となります。
最終的な判断は現地調査後に確定致します。